オープン当初からの記事

キャンドルストーリー (Candle Story)

先日お泊まりになったUSAからお越しのSさん。

日本に来るのは今回が3回目。
日本食が大好きというSさんといろいろお話をしていたら、
高山で泊まった旅館で食べたものが何かわからなかったから教えて欲しいと聞かれました。

どんなものかを尋ねると、

「青くて少し硬くてごはんといっしょに出てきた」と。

青い食べ物??

想像がつきません。
はてはて。
高山で有名な食べ物なのでしょうか。。。

テイストを聞いてみると、

「WAXY(ろうのような)」と。

むむむ??

そんな食べ物ってあるのでしょうか。
あまりに変な味なのでUSAにいる家族にもお話したとか。

うんうん考えているとSさんがこれなのよね~と、写真を見せてくれました。

むむ?

これはまさか。

他の写真も見せてもらいました。

私、この写真を見て確信いたしました。

Sさんが食べたのは間違いなく「固形燃料」。。。

懐石料理などに出てくる小鍋を温めるあれです。

固形燃料には食べた後がはっきりくっきりついています。

「これ食べちゃったの~~食べちゃダメダメ!!!!!」
ってびっくり仰天していた私をみてSさんは大笑いしていました。

どうやらデザートだと思ったみたいです。
たしかにこうしてみるとデザートに見えないことはないかも。。。

疑問だったのは上にのるはずだった小鍋。

この小鍋は冷たいまま召し上がったとか。
「おいしかったわよ」ってSさん。
知らないって怖い。。。

さらに疑問が。。。
仲居さんはなぜ火をつけてくれなかったのかと。

普通ならまわりに人がいるのでその人たちの動きをみて判断するそうですが、
この日の食事はこんな感じの「部屋食」

残念ながら見る相手も聞ける相手もいません。

「貴重な体験をしましたね~なかなかできる経験ではないですよ」とお伝えすると、
みんなにこのお話をしていました。
もっちろん、USAにいる家族にも伝えるわと嬉しそうにお話されていました。

この日にお泊まりになったみなさんが知っている

「Candle Story (キャンドルストーリー)」

固形燃料を使うのは、

温かいものを温かく食べて欲しいという日本人の料理人の温かい気持ちの表れです。

日本人にとって当たり前になってしまっていることが、

海外から来られる方にとっては"貴重な体験”になります。

そしてそのエピソードを聞いて私たちはあらためて日本の素晴らしさを実感するのだと思います。日本ってホントに素敵な国ですね。

Sさん、最高のエピソードを聴かせていただきありがとうございました!

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